エソテリックLP2タイトル5月24日発売
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ムソルグスキー: 展覧会の絵(LP)
エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団
規格番号:ESLD10009
発売日:5月24日
販売価格:6,600円(税込)
【収録内容】
モデスト・ムソルグスキー: 組曲《展覧会の絵》
編曲:モーリス・ラヴェル
Side 1
1. プロムナード ― 小人
2. プロムナード ― 古城
3. プロムナード ― テュイルリーの庭
4. ブイドロ(牛車)
5. プロムナード ― 卵の殻をつけた雛の踊り
6. サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
7. リモージュの市場 ―カタコンベ(ローマ時代の墓) ― 死せる言葉による死者への呼びかけ
Side 2
1. 鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー) ― キエフの大門
フランツ・リスト:
2. 交響詩《フン族の戦い》
【演奏者】
スイス・ロマンド管弦楽団
指揮:エルネスト・アンセルメ
[オリジナル・レコーディング]
[録音]1959 年11 月1 日~7 日(ムソルグスキー)、1959年4月18日~21日、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
[プロデューサー] ジェームズ・ウォーカー
[レコーディング・エンジニア] ロイ・ウォレス(ムソルグスキー)、ジル・ウェント(リスト)
[初出] DECCA SXL 2195(1960年)
[日本盤LP 初出] LONDON SLB47(1960 年11 月)
[アナログレコード]
[プロデューサー] 大間知基彰 (エソテリック・マスタリング・センター)
[アソシエイト・プロデューサー] 吉田穣 (エソテリック・マスタリング・センター)
[リマスタリング・エンジニア] 東野真哉 (エソテリック・マスタリング・センター)
[リマスター]2024年11月 エソテリック・マスタリング・センター、「Esoteric Mastering」システム
[アナログレコード・カッティング] 北村勝敏 (株式会社ミキサーズラボ)
[解説] 浅里公三
[企画・販売] ティアック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社
アンセルメとスイス・ロマンドのステレオ時代の定番「展覧会の絵」。精緻を極めた名演が、鮮度の高い極上のマスターからの理想的なカッティングによるアナログ盤として鮮烈によみがえる
■精緻で色彩的な演奏で一時代を築いた名指揮者アンセルメ
スイスの名指揮者エルネスト・アンセルメ(1883.11.11-1969.2.20)は、セルゲイ・ディアギレフ率いるロシア・バレエ団の指揮者として、ストラヴィンスキー「兵士の物語」「うぐいす」「プルチネルラ」、ファリャ「三角帽子」、プロコフィエフ「道化師」、サティ「パラード」などの20 世紀前半の重要作を次々と初演したことで名声を獲得し、1919年に創設したスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督としてこのオーケストラを世界的な存在に育て上げたことで知られています。1946 年から専属契約を結んだ英デッカ・レーベルへの膨大な録音を行ない、フランス音楽、ロシア音楽、20 世紀音楽、そしてドイツ・オーストリア音楽までを網羅。モノラル時代は「ffrr」(full frequency range recording 広帯域録音の頭文字)、ステレオ時代には「ffss」(full frequency stereo sound広帯域ステレオサウンドの頭文字)のロゴで知られるデッカならではの優れた録音技術による鮮明かつダイナミック・レンジが広く立体的なサウンドと相俟って、アナログ時代に高い評価を得ていました。
■アナログ・ステレオ 時代の定番「展覧会の絵」
1960年に発売された当アルバムは、数多いアンセルメの録音の中でも殊更評価が高く、アナログ・ステレオ時代を通じて「展覧会の絵」の代表盤とされた1959年録音の名演を収めています。レコード録音に熱心だったアンセルメは、カラヤンと同様、録音技術の進歩に合わせて得意曲の再録音を積極的に行ないましたが、この「展覧会の絵」はその中でも極端な例で、1947 年のロンドン響とのSP 録音に始まり、スイス・ロマンド管とは1953 年(モノラル)、1958年(ステレオ)、そしてこの1959 年録音と12 年間の間に4 回も録音を重ねています。モノラル時代に一世を風靡したトスカニーニ盤などの熱血アプローチとは異なり、むしろ客観的な視点でラヴェルの精緻なオーケストレーションの妙を克明に描き出す冷静さに耳がひきつけられます。カップリングは、リストの交響詩の中でも比較的珍しい「フン族の戦い」。アッティラ率いる異教徒のフン族とキリスト教徒であるヨーロッパ諸民族の軍勢とが戦った「カタラウヌムの戦い」を描いたカウルバッハの油彩画にインスピレーションを得た作品で、ムソルグスキーが友人の画家ガルトマンによるさまざまな絵画やスケッチに着想を得た「展覧会の絵」とは作品が成立した契機が共通するということでカップリングされたのかもしれません。アンセルメの膨大な録音の中でもリスト作品は珍しく、ほかには「ファウスト交響曲」と「メフィスト・ワルツ第1番」を含む「レーナウのファウストからの2つのエピソード」があるのみですが、キリスト教徒を描く際にはオルガン・ソロによるコラールが用いられており、作品の最後でキリスト教徒の勝利を描く部分でもオルガンが加えられるためオーディファイルな効果が試される作品でもあります。
■オルガンも使える馴染みのヴィクトリア・ホールで録音された名録音
アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団によるデッカへの録音は、基本的にオーケストラの本拠地であったジュネーヴのヴィクトリア・ホールで行なわれました。19 世紀にジュネーヴ駐留のイギリス総領事によって建立されたこのホールは、優れた音響を誇るうえに、レコーディング・スタジオとしても最適でした。デッカによる初めてのステレオ録音は、1954 年5 月13 日にこのヴィクトリア・ホールで収録されたアンセルメ/スイス・ロマンドによるR=コルサコフの交響曲「アンタール」で、それ以来、この伝説のホールで幾多の名録音が生み出されたのです。1959 年の「展覧会の絵」は、ステレオ期のアンセルメ録音を一手に引き受けたプロデューサーのジェームズ・ウォーカーとデッカのステレオ録音の生みの親であるロイ・ウォレスという名コンビが手掛けた録音で、指揮台の頭上に吊るしたデッカツリーといわれる3 本のマイクロフォンのみで収録されたにもかかわらず、圧倒的な色彩感と空間性が再現されています。アンセルメが「キエフの大門」のコーダで独自に加えているオルガンの響きも実に効果的。同年録音の「フン族の戦い」は「展覧会の絵」よりは若干響きが少なめですが、多彩なオーケストレーションの起伏は実に鮮明に捉えられており、やはり曲尾でオーケストラのトゥッティに重ねられるオルガンの力感も見事にミックスされています。日本ではこのカップリングでは初出盤以降、2度再発されただけで定番の「はげ山の一夜」との組み合わせに変わったため、このオリジナル・カップリングでアナログレコード化されるのはほぼ60年ぶりのリリースとなります。新たにオリジナルマスターより「Esoteric Mastering」にて、アナログレコード専用のマスタリングを行いました。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clock、MEXCELケーブルを惜しげもなく使用し、徹底して高音質化を目指したマスターを作成しました。
アナログ・カッティングは、ミキサーズラボ社にて、アナログ最盛期の名機、ノイマン社製カッティング・レースVMS80を使用しました。同機は西ドイツで製造され、現在日本国内では2台しか稼働していません。
ミキサーズラボ社のご協力を得て、カッティングルームに「Esoteric Mastering」の機材を持ち込み、出力をノイマン社製カッティング・コンソールSP79Cにダイレクトに接続。コンソールのイコライザーを使わずに、「Esoteric Mastering」サウンドをそのまま、カッティング工程へ送り込みます。
カッティングは、ミキサーズラボ社のカッティング・エンジニア 北村勝敏氏。匠の手腕をマスター盤に注ぎ込んで頂きました。現在では、レコード・プレス用のマスター盤カッティングのみで、試聴のためだけにラッカー盤をカッティングする事は稀ですが、エソテリックでは音質を追及するため、コンソールへの伝送方式を変えながら複数のラッカー盤を作成しました。作成した複数のラッカー盤は、エソテリック・マスタリング・センターへ持ち帰り、ESOTERICのアナログターンテーブルGrandioso T1で試聴・音質確認を行い、最適な伝送方法を決定しています。徹底してアナログの音にこだわりを込めて作成し、オリジナルマスターのもつ情報を伸びやかなサウンドでアナログレコード化することに成功しました。
■「ラヴェルの精緻なオーケストレーションを再現」
「『展覧会の絵』でのアンセルメのテンポは遅めだが、それが絵画のシチュエーションを浮かび上がらせ、ラヴェルの精緻なオーケストレーションを再現するのに効果的。アンセルメは作品を劇的に解釈せず、むしろクールな眼で見つめる。彼の知的な解釈と豊かな人間性が結びついたところに独特の雰囲気を持った演奏が生まれた。イマジネーティヴな演奏ではないが、この曲の代表的な演奏にあげられる理由もそこにある。」
(『レコード芸術別冊・クラシック・レコード・ブックVOL.2 管弦楽曲編』、1985 年)
「アンセルメの『展覧会の絵』が悪いはずはない。アンセルメは音楽の流れを誇張せずに、むしろなめらかに展開する指揮者で、リズム感はあくまでも鋭いが、音楽の変化の運営の実にうまい人である。この『展覧会の絵』にしても、他の誰の指揮したものよりもロシアが気分としても色としても生かされているのに驚く。スラヴ人の血をアンセルメは音楽を通じて、肌にじかに感じていたのだろう。」
(エソテリック株式会社)

ヴィヴァルディ: 四季(LP)
フェリックス・アーヨ/イ・ムジチ合奏団
規格番号:ESLD10010
発売日:5月24日
販売価格:6,600円(税込)
【収録内容】
アントニオ・ヴィヴァルディ :ヴァイオリン協奏曲集《四季》
Side 1
協奏曲 第1番 ホ長調 RV269 《春》
1. 第1楽章: Allegro
2. 第2楽章: Largo
3. 第3楽章: Allegro (Danza pastorale)
協奏曲 第2番 ト短調 RV315 《夏》
4. 第1楽章: Allegro non molto - Allegro
5. 第2楽章: Adagio - Presto - Adagio
6. 第3楽章: Presto (Tempo impetuoso d'estate)
Side 2
協奏曲 第3番 へ長調 RV293 《秋》
1. 第1楽章: Allegro (Ballo, e canto de'villanelli)
2. 第2楽章: Adagio molto (Ubriachi dormienti)
3. 第3楽章: Allegro (La caccia)
協奏曲 第4番 へ短調 RV297 《冬》
4. 第1楽章: Allegro non molto
5. 第2楽章: Largo
6. 第3楽章: Allegro
【演奏者】
フェリックス・アーヨ(ヴァイオリン)
イ・ムジチ合奏団
[オリジナル・レコーディング]
[録音]1959年4月29日~5月6日、ウィーン
[レコーディング・プロデューサー]ヴィットリオ・ネグリ
[レコーディング・エンジニア]トニー・ブツィンスキ、ハンス・ラウターシュラーガー
[初出]Philips 835 030 AY(1961年)
[日本盤初出]Philips SFL7507 (1961年8月)
[アナログレコード]
[プロデューサー] 大間知基彰 (エソテリック・マスタリング・センター)
[アソシエイト・プロデューサー] 吉田穣 (エソテリック・マスタリング・センター)
[リマスタリング・エンジニア] 東野真哉 (エソテリック・マスタリング・センター)
[リマスター]2024年12月 エソテリック・マスタリング・センター、「Esoteric Mastering」システム
[アナログレコード・カッティング] 北村勝敏 (株式会社ミキサーズラボ)
[解説] 浅里公三
[企画・販売] ティアック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社
20世紀後半のバロック音楽ブームの火付け役となった、美麗なカンタービレと豊潤な歌に満ちた、最もイタリア的な《四季》
■巨匠トスカニーニが絶賛したアンサンブル
20世紀中盤に実現したLPレコードの到来・普及とともに一気に加速したのがいわゆるバロック音楽への関心でした。1952年、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院の学生によって結成され、イタリア語で「音楽家たち」という名を冠したイ・ムジチ合奏団は、そうしたバロック音楽への人々の関心を感じ取り、19世紀風のロマンティシズムに歪められたヴィヴァルディやコレッリを始めとするイタリア・バロック音楽の表現を正したい、という思いで演奏活動を開始。第1ヴァイオリン3-第2ヴァイオリン3-ヴィオラ2-チェロ2-コントラバス1という弦楽アンサンブル11名にチェンバロ1名を加えた12名というコンパクトな編成を採用し、レパートリーを含む演奏方針についてはメンバー全員による合議制という体制を整え、第2次大戦後に加速したバロック音楽についての研究や楽譜の出版という学術的な正当性をバックグランドにすることで、クラシック音楽の新たなジャンルの開拓に乗り出したのです。イ・ムジチ合奏団は、1952年にデビュー後、数年のうちに大きな成功をおさめ、ヨーロッパのみならず南米アメリカを含む世界的な人気を獲得。イ・ムジチの演奏に接した巨匠アルトゥーロ・トスカニーニも「ブラヴォー!ブラヴィッシモ!音楽は死んでいなかった!」と激賞し、その人気の高まりにお墨付きをつける形となりました。
■空前のベストセラーとなった伝説の《四季》
戦後のバロック音楽ブームは、SP盤特有のノイズに煩わされずより微細な響きを聴き取る必要のあるこのジャンルの音楽の特性に最適だったLPレコードの開発とともに大きくなり、1950年代後半に開発されたステレオ技術はそれをさらに加速させました。そうしたブームの象徴となった曲がヴィヴァルディの《四季》であり、この曲の人気を世界的に爆発させたのがイ・ムジチ合奏団でした。彼らはアンサンブルとしてのデビュー後間もなく英コロンビアに録音を開始しますが、1955年にこのヴィヴァルディの《四季》のモノラル録音でオランダのフィリップス・レーベルにデビューしてフランスのディスク大賞を獲得。そのわずか4年後にステレオで再録音したのが今回久々にアナログ盤として復刻される当盤で、この2枚合わせてトータルのセールスが180万枚を超えるというクラシック音楽のレコードとしては空前の記録を達成したのでした。
■《四季》といえばイ・ムジチの代名詞
イ・ムジチ合奏団の持つ、明るくしかも艶をおびた音色、溌溂としたリズムと明晰さ、見事なレガート奏法、そして各奏者の均質性は、このヴィヴァルディの名曲の再現には最適で、20世紀後半のこの曲のイメージの原点となったといっても過言ではありません。曲に付されたソネットに記されているような描写性を特に強調せず、即興的な装飾なども加えず、自然な緩急をつけながらも全体としては妥当なテンポを採り、楽譜を忠実に再現する極めてオーソドックスなアプローチは、この曲の持つ美しさを純粋に味わうことのできるうえでかけがえのないもの。イ・ムジチはCD時代に至る半世紀以上にわたってフィリップスに《四季》をさらに4回の録音を重ねていますが(2012年に別レーベルに通算7度目の録音を行っています)、その原点ともなったのがこの1959年の最初のステレオ録音(通算では2度目)でした。ヴァイオリン・ソロを担ったのはコンサートマスターのフェリックス・アーヨ(1933年スペイン・バスク地方のセスタオ生まれ)。イ・ムジチの創設メンバーの一人で、1968年まで17年間にわたって在籍し、第1期黄金時代を築き上げました。アーヨの特徴は、何といっても楽器を豊かに鳴らして生み出される磨き上げられた音色と絶妙なボウイングによる美しいフレージング。これによって、歌う楽器としてのヴァイオリンの魅力が極限まで発揮されています。
■美しく究められた、尽きることのないレガートの魅力
このイ・ムジチの1959年盤の特徴は、全編にわたって繰り広げられる途切れることのないレガート奏法の魅力といえるでしょう。その最高の例が〈春〉の第1楽章のあの有名な主題で、この主題が登場するたびにレガートで奏され、曲の魅力をこれ以上ないほどに聴き手に伝えます。同じアーヨが独奏した1955年のモノラル盤でも、アーヨ以降のイ・ムジチによるどの《四季》の録音でも、1959年盤ほどの陶酔的なレガートを採用した例はありません。一つ一つの音符に歌心を込めることを優先するためにやや遅めのテンポを設定しているのもこの盤の独自性で、そのおっとりとした魅力は他には代えがたい魅力を持っています。
■演奏の魅力を味わえる癖のないナチュラルなサウンド
イ・ムジチの録音の多くは時計で有名なスイスのラ・ショー・ド・フォンにある音響効果抜群のサル・ド・ミュジックで行われましたが、当盤の《四季》はウィーン(会場不詳)で録音されています。後年のイ・ムジチの録音ほど残響感はないものの、適度な広がりと明晰度で中低音の響きが充実した、ボディのある弦楽のサウンドを味わうことができます。プロデュースを手掛けたヴィットリオ・ネグリ(1923-1999)はヴィヴァルディの研究者として知られ、イ・ムジチが演奏する楽譜の編纂にもかかわり、1950年代後半からはフィリップスのプロデューサーとしてイ・ムジチを始めとする数多くの録音をプロデュースした人物。モーツァルト学者として著名な指揮者のベルンハルト・バウムガルトナーのアシスタントを務めたこともあるプロの指揮者でもあり、後年はヴィヴァルディの宗教曲集や歌劇《ティート・マンリオ》など指揮者としての録音もフィリップスに残しています(アーヨとは1975年にベルリン室内管弦楽団と《四季》を再録しており、この1959年盤とは正反対の、アイデア満載で、手練手管を尽くした立体的で歯切れのよい演奏を成し遂げています)。この演奏の国内プレスによるアナログ盤は1982年が最後で、今回のアナログ盤復刻は33年ぶりとなります。新たにオリジナルマスターより「Esoteric Mastering」にて、アナログレコード専用にマスタリングを行いました。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clock、MEXCELケーブルを惜しげもなく使用し、徹底して高音質化を目指したマスターを作成しました。
アナログ・カッティングは、ミキサーズラボ社にて、アナログ最盛期の名機、ノイマン社製カッティング・レースVMS80を使用しました。同機は西ドイツで製造され、現在日本国内では2台しか稼働していません。ミキサーズラボ社のご協力を得て、カッティングルームに「Esoteric Mastering」の機材を持ち込み、出力をノイマン社製カッティング・コンソールSP79Cにダイレクトに接続。コンソールのイコライザーを使わずに、「Esoteric Mastering」サウンドをそのまま、カッティング工程へ送り込みます。
カッティングは、ミキサーズラボ社のカッティング・エンジニア 北村勝敏氏。匠の手腕をマスター盤に注ぎ込んで頂きました。現在では、レコード・プレス用のマスター盤カッティングのみで、試聴のためだけにラッカー盤をカッティングする事は稀ですが、エソテリックでは音質を追及するため、コンソールへの伝送方式を変えながら複数のラッカー盤を作成しました。作成した複数のラッカー盤は、エソテリック・マスタリング・センターへ持ち帰り、ESOTERICのアナログターンテーブルGrandioso T1で試聴・音質確認を行い、最適な伝送方法を決定しています。
徹底してアナログの音にこだわりを込めて作成し、オリジナルマスターのもつ情報を伸びやかなサウンドでアナログレコード化することに成功しました。
■「年齢を重ねることを忘れた演奏、ここに在り」
「抒情的な感じを大切にしているのが大きな特色で、リズムと響きが柔らかく、全体に大変よく歌い、かつ流している。まさにイタリア人の心そのものをうたい上げたような、伸びやかな表現で、その緊密なアンサンブルと美麗な音色がなんとも魅力的だ。アーヨのソロは、音色があたたかく、技巧もしっかりとしており、このレコードが超ロングセラーとなったのも、当然であろう。」 (『クラシック・レコード・ブックVOl.3 協奏曲編』、1985年)
「旋律の装飾や変奏のないオーソドックスな《四季》だ。適正なテンポ、柔らかい艶やかな音色とレガート奏法での、いかにも流麗な仕上げには、まさにイタリア本場物の味わいがある。アンサンブルなどの技術面も見事で、磨かれた外面の美しさを誇りながら、にじみ出るような情感も豊かだ。アーヨのソロは、音色があたたかく、技巧もしっかりしている。」 (『クラシックCDカタログ‘89』、1989年)
「アーヨの独奏は、いかにもイタリアのヴァイオリニストらしくのびやかな歌に溢れたもので、音色は極めて明るい。イ・ムジチ全体の磨き抜かれたアンサンブルも美しく、指揮者なしで完璧な音楽を作り上げている。かつてトスカニーニは彼らを評して『間違いなく世界で一番美しい室内合奏団だ』と言ったが、その言葉を最もよく裏付けているのが、彼らの原点ともいえるこの《四季》なのである。」 (『クラシック名盤大全 協奏曲編』、1998年)
「ほぼ半世紀前に《四季》を、あるいはヴィヴァルディを世に広めた記念すべきアルバムである。バロック演奏史として見ても、確かにこの録音はその入り口付近に建てられた記念碑であった。この記念碑を目標に、あるいは出発点として進んでいった人も多いことだろう。」
(『ONTOMO MOOK レコード芸術選定 クラシック不滅の名盤1000』、2007年)
「世界に《四季》ブームを、ヴィヴァルディ・ルネサンスを巻き起こした画期的、金字塔的な演奏。覇気が先行した1955年のモノラル盤から格段の音楽的成長を遂げた合奏団は、輝かしい、硬質な透明感を持った響き、確信に満ちた音楽性が眩しいほど。その上を颯爽と、躍動するように展開するフェリックス・アーヨの艶と張りのあるソロ・ヴァイオリン。柔軟なフレージング、内容(標題)と形式のバランス、楽器あら紡ぎ出される詩情。イ・ムジチ合奏団はこの後も別のヴァイオリン奏者と《四季》の録音を繰り返したが、常にアーヨと比較されるほど、この慄然とした独奏は強い印象を与える。録音から60年!年齢を重ねることを忘れた演奏、ここに在り。」
(エソテリック株式会社)